無痛/久坂部 羊

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無痛 無痛
久坂部 羊 (2006/04)
幻冬舎
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無痛と聞くと、無痛分娩とかそういうものを思い出してしまう。
麻酔をかけて、痛みを感じなくなってしまう状態を思い浮かべる。

だが、この本に出てくる無痛とは、病気なのである。
無痛病といって、痛みをまったく感じない病気なのである。
だが、この病気のことはすぐには出てこない。
どう関係があるのか、良くわからない。

刑法39条のことが、色々出てくるので、そちらに気をとられてしまう。

39条については、映画も出ているし、
近頃の事件では心神耗弱により、無罪。
心身衰弱により、減刑。
などというものが、頻繁に出てくるのでご存知の方も多いと思う。

この本は、その39条があるために刑を免れる犯人、
39条を利用して刑を免れようとする犯人、
そして犯人を逮捕した刑事。
そんな人たちが出てくる。

特に、刑事の葛藤は共感をする部分も多い。
そして、39条を利用しようとする犯人には、
こんなことがまかり通っていいのだろうか、でもそれが通用してしまうんだ。
という、39条の恐ろしさというか、なんというか、
なんとも言いがたいものがこみ上げてくる。

病気のために、自分でもどうしようもなく、
わけがわからずに犯罪を犯してしまった者を守る39条。
だがそれを利用とする、卑劣な正常者たち。
39条は諸刃の剣なのではないかと思わせてしまうような、
深く深く考えてしまう本である。

だが、そうして39条ばかりに気をとられていると、
物語はずんずん進んでいるのである。
気づくと、恐ろしいくらい緊迫した状況にいたっているのだ。

事件は解決し、本も読み終わっているが、
39条は、深く心に残るのである。
ああ、面白かった。
そう思っていても、39条のことが頭をもたげてくるのである。

いろいろと私たちに疑問を投げかけてくる本なのである。



rink

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執筆者hatsuiさん

投稿日時2007/10/06 16:33:42


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