【映画】マイティ・ハート

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アンジェリーナ・ジョリーはこの演技により またアカデミー賞を取るのではないか・・・と噂されている映画 A Mighty Heart を 観てきました。
ポスター


映画を観る前の風評では

「肌まで黒く塗って やりすぎ!」

なんて声も聞かれていましたが
これが地のアンジェリーナ・ジョリー

アンジェ

映画ではこんな風に・・・

マリアン1

マリアン2

・・・確かに別人のよう。
唇は変わっていませんが。

しかし 本人に似てないと 一応実話を元にしてるだけに (旦那さん ダニエル・パール役の男優さんは まさしく瓜二つ・・・) 違和感感じるのでは?
フランス訛りの英語までマスター。
まさしく別人になりきっていました。

さて 実はこの映画を観る予定 全然ありませんでした。
しかし 監督が マイケル・ウィンターボトムとわかって 俄然興味が。

というのも マイケル・ウィンターボトムは好きな監督の一人で 監督作品はほとんど観ています。
劇場公開を見逃したら DVDでチェック(あ トリスタラム・シャンディはまだでした)。

古くは バタフライ・キス 最近ではガンタナモ〜僕たちの真実など 問題作も監督しており 近年のテロ関連についても冷静な視線で題材を扱っていて この作品も例外ではありませんでした。

アメリカ人監督なら 大の感動作になりそうなこの作品のテーマ。
アメリカ人ジャーナリストが 妊娠5ヶ月の妻を残して イスラムテロリスト集団に誘拐され 身重の妻は必死にその行方を追う・・・。

ジャジャジャ〜ン という オーケストラで さあ泣け と いわんばかりの音楽がかかりそうなところ 映画は静かに まるでドキュメンタリーでも見ているかのように進んでいきました。
夫が誘拐されて半狂乱になるのでは?と 思ってしまいがちな妻マリアンですが 時たまパキスタンという地のあまりの慣習の違い 間違った手がかりを追っていたとわかり ガマンの限界に達するシーンくらいで 癇癪を起こす(というか 当たり前だわ・・と観てて思いますが)くらいで 後は 絶望したりわめき散らしたりすることなく 淡々と感情を抑えてとにかく夫を無事に取り戻すことだけのために 必死に活動していて そのけなげさにかえって じんと来るものあり。
あれで大時代的にわめいたり振舞ったりしていたら こちらは多分興ざめ・・・。

それに 人間ってものすごーくショックなことがあると とにかく無感動になるともいうので 目先の問題を解決することしか考えられないともいいますが そんなすべてが悪夢みたいにしか感じられない様子が 伝わってきます。

その一方で一人になった眠れない夜に 二人が幸せだったときのことを回想する その 画像自体の暖かい色合い。
結婚式 二人でした旅行 妊娠がわかったときの喜び。
冷たい現実との対比が あまりにも強烈。

それでいて きちんとパキスタンという国の抱える貧困 不公平 という テロの温床となる姿がしっかり描かれており テロリストに同情的な目を向けることなく ただ あるがままの姿 を 描写することに集中しているよう。

この映画を観て 確かに犠牲となったダニエル・パールさんは可哀想で なんて無駄な死に方を・・・と思い 彼だけが特別なような気持ちになってしまいますが 映画中でマリアンが語るように パキスタンを始めとする紛争諸国では一般人や自国民が犠牲になっているんですよね。
現に先日も奇しくもパキスタンはカラチで自爆テロがあったし。

だれかが犠牲になった というがために 殉教者として その人だけが祭り上げられ そのまま忘れられていくのではなく 映画のタイトルどおり 

強い心(A mighty heart)を持った 普通のひと

つまり ダニエルさんのように 真実を伝えようとしていく姿勢 そして その妻マリアンさんのように どんな苦境にあっても 希望を失わず自分の最善を尽くしていくひとたちが増えていけば 今の状況も打開できるのでは と ふと感じます。

それを象徴するのが映画の最初と最後に出てくるパーティ。 
ダニエルさんはそのどちらにも参加することはなかったけれど 国境 人種 宗教を超えての人のつながりが 食事というものを通して示され 障害はたくさんあり それを乗り越えることは難しいけれど それでも 人は一個の人間として 協力し合い 互いを認め合うことができるのではないか と 言っているかのよう。
最後のエンドロールで この事件はまだ終っていないし 謎も解決されたわけではないことが 示唆されます。
つまり このような事件はこれからも起こりうる ということ 普通の人もちょっとした偶然で いくら予測していても予期せぬ事態も起こりうる時代。
そんな時代を映し出した作品でした。

映画を見る前に ちょっとネットで インド-パキスタン関係や イスラム教のユダヤ人に持つ意識 パキスタンを始めとするイスラム諸国のアメリカへの敵対心 なんかを調べておくと 映画の面白さが倍増すること請け合いです。

政治映画はなぁ と ちょっと敬遠する向きには パキスタンの首都カラチの描かれ方が ウィンターボトムの旧作 ひかりのまち に出てきたロンドンみたいで美しいので 恐れることなく観てください。

さて 笑ってはいけないけれど 度肝を抜かれたシーンが一箇所ありまして・・・。
ネタばれになるので白にしておきますが ホンモノのマリアンさんがそうだから なのですが アンジェリーナがお経を上げるシーンがあったんですよね。
いきなり お仏壇の前で

な〜むみょうほう〜れんげ〜きょ〜


と唱えたときには座席からずり落ちるかと思いました。

いえ いいシーンなんですよ!
宗教は違えど 祈る気持ちは一緒 というメッセージだったとは思うんですが・・・。


監督の伝えたいことはよくわかったけど あまりのいきなりさに仰天してしまったのでした。

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この記事はドラマ【海外映画】に投稿されたプリシラさんのブログ記事です。
http://queenofthedesert.blog72.fc2.com/blog-entry-380.html

執筆者プリシラさん

投稿日時2007/10/23 21:28:57


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