Spirits - その15 タンカレーの10の顔(The Ten Faces of Tanqueray)
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Spirits - その15 タンカレーの10の顔(The Ten Faces of Tanqueray)

Tanqueray No.TEN
【タンカレー・ナンバー・テン】
− ☆ − ★ − ☆ − ★ −
度数は47.3度。
製造元はCharles Tanqueray & Co.,Ltd.
2000年に登場したプレミアム・ジンです。現在稼働している蒸留器のうち、最も古い第10番蒸留器で蒸留した原酒のみを瓶詰めしています。
この蒸留器は容量の少ない、単式のものです。
単式蒸留器と連続式蒸留機を、仕組みの段階から説明すると大変なことになるので省略しますが(でもディアジオのモルト・マスター試験ではウィスキーの蒸留器の仕組みについて出題されていました・・・ってモルト・マスターなのにモルトを全然紹介していないことに気付いた今日・・・)、イメージ的には
単式 → 容”器”
連続式 → ”機”械
です。
つまり単式の場合には、ひとつの容器だけで蒸留を行います。手間がかかる、時間がかかる、大量生産に向かない、余分な成分が分離しきれないために品質が必ずしも一定しない、といった欠点があります。
連続式はその名の通り、単式蒸留器がずらりと並んでいて、流れ作業のように工程が進みます。蒸留”器”ではなく、蒸留”機”なのです。
ロンドン・ジンの場合はほとんどが、連続式蒸留”機”です。こちらのほうが不要な成分が分離され、雑味も消えて、純度が高まります。また、安定した生産が見込めるため、19世紀に登場して以来、主流となっていくのです。
ところが、欠点もあります。純粋なアルコールにより近づくため、口当たりが強くなってしまうことです。そのためか、ジンに不慣れな人に「ジンの区別が付かない。アルコールをそのまま飲んでるみたい」なんて言われることがあります。
タンカレーNo.TENは、あえて単式蒸留器を使い、蒸留を4回繰り返して造られた一品です。手間がかかるので、ゆっくり丁寧に造られているとのこと。
ロンドン・ジンの原点に戻ろうということなのでしょうか。
ちなみに、製造の最終段階でフレッシュ・ハーブを使っているとのことです。
− ☆ − ★ − ☆ − ★ −
ちなみに、タンカレーの1839年当時のオリジナル・レシピを再現し、1999年に登場したプレミアム・ジンは、
Tanqueray Malacca Gin 【タンカレー・マラッカ・ジン】
現在のタンカレーとは、とくに風味の点で異なるとのことですが、まだ入手していません。捜索中です。見つけ次第、お知らせします。
− ☆ − ★ − ☆ − ★ −
No.TENに戻りましょう。
キャップ・リングに文字が彫られています。(以下、英文字はすべて大文字なのですが、読みづらいので小文字に変換しています)
「Hand crafted using fresh botanicals.」
「新鮮な植物を使った、手作りの品です」という意味ですね。
ボトルの裏は、
Fresh botanicals and hints of citrus give Tanqueray NO.TEN its exquisite flavour and smooth finish.
Tanqueray NO.TEN is a refreshingly unique spirit , which makes a truly fresh.
「新鮮な植物と柑橘類の存在により、タンカレーNo.TENに洗練された味となめらかな後味とを与えます。
タンカレーNo.TENは、本当に新しく作られた、爽やかで独特の蒸留酒です」という感じでしょうか。
味わいは・・・タンカレーっぽくありません。
フレッシュ・ハーブを加えたとあって、通常の、流麗な味わいのタンカレーと異なり、むしろ複雑な香味をもつBOMBAY SAPPHIRE 【ボンベイ・サファイア】 に、より近いものを感じます。
ところが、このタンカレーっぽくないタンカレーをいただいたあとに、通常品に戻ると・・・No.TENほどではないにしても、香味を感じます。滑らかさの中にしっかりと、香りと味わいとを凝縮しているのに気付かされる。これが通常品の本当の味わいであるのなら、No.TENは実にタンカレーの味わいなのですね。
タンカレーの存在証明。
− ☆ − ★ − ☆ − ★ −
ようやく、3大ジンとその上位種2品を制覇しました(そういえばゴードンの上位ってありませんね)。あえて、しっかりと比べてみると、それぞれが全然違う代物だということがよく分かります。
馥郁たるビーフィーター、力強いゴードン、流麗なタンカレー、成熟のクラウン・ジュエル、芳醇なNo.TEN・・・。
でも、ジンだけでもまだまだたくさん種類があります。出番待ちが1つ、購入予定が2つ、欲しいのに高くて手が出せないのが2つ、どこにあるのか探しているのが2つ・・・ただ、この先の代物はあまり一般的ではありません。
3大+ボンベイ(+余裕があれば上位2種)、の4(+2)種類の中から、自分の好みのものを見つけ出すのも楽しい。見つかったら残り3(+2)種類と比較していくのもまた楽しい。ジンだけでも、世界は広いのです。
− ☆ − ★ − ☆ − ★ −
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2007/09/16 07:57:06



